工場で今すぐ実践できるセキュリティ運用ルール5選

OTセキュリティ基礎知識

1. はじめに

1.1 背景

近年、製造業の工場がサイバー攻撃の標的になるケースが増加しています。特にランサムウェアによる被害が深刻で、生産ラインの停止や情報漏洩が懸念されています。

1.2 記事の目的

本記事では、工場で今すぐにでも実践できるセキュリティ運用ルールを5つご紹介します。セキュリティ対策に詳しくない方でも理解しやすい内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。


2. なぜセキュリティ運用ルールが重要なのか

2.1 セキュリティポリシーと運用ルールの関係

セキュリティポリシーは組織全体の基本方針を示すものです。それに対し、セキュリティ運用ルールは、そのポリシーを具体的な行動に落とし込んだものです。日々の業務で従業員が何をすべきか、具体的に指示する役割を持ちます。

セキュリティポリシーについての記事はこちら

今作るべき工場のセキュリティポリシーとは?ランサムウェアから工場を守るために
製造業が今取り組むべきセキュリティポリシーの策定方法を解説。ランサムウェアから工場を守るための基本と具体的なステップを分かりやすく紹介します。

2.2 工場特有のセキュリティリスク

  • 生産設備の停止による経済的損失が大きい。
  • OT(Operational Technology)システムの脆弱性が狙われやすい。
  • 外部ベンダーの持ち込み機器からの感染リスク。

3. 今すぐ実践できるセキュリティ運用ルール5選

ルール1:パスワードの強化と定期的な変更

具体的な内容:

  • パスワードは英数字と記号を組み合わせた12文字以上に設定する。
  • 定期的(90日ごと)に変更を義務付ける。
  • 特に、制御システムのサーバーやWi-Fiアクセスポイントのログインパスワードなど、改善できるところから対象とする。
  • PLCやタッチパネルも機種によってはパスワード設定が可能ですが、運用が難しくなることもあるため、できるところから取り組みましょう。

実践ポイント:

  • パスワード管理ツールの導入を検討する。
  • 従業員にパスワードの重要性を教育する。

ルール2:USBメモリなど外部デバイスの使用制限

具体的な内容:

  • 未承認のUSBメモリや外部デバイスの使用を禁止する。
  • データの持ち出しや持ち込みは管理者の許可が必要。
  • 近年では、マイコンが仕込まれたBadUSBという不正なUSBが流行しています。キーボードやマウス、充電ケーブルに扮した不正なUSBにも注意が必要です。

実践ポイント:

  • USBポートの物理的封鎖やデバイス制御ソフトの導入。
  • 持ち込みデバイスのウイルスチェックを徹底する。

ルール3:ソフトウェアとシステムの定期更新

具体的な内容:

  • OSやアプリケーションの最新パッチを適用する。
  • 更新スケジュールを事前に策定し、業務への影響を最小限に。
  • ただし、OT環境では更新が難しいケースも多いです。更新後の動作保証ができない場合もあるため、慎重な対応が必要です。

実践ポイント:

  • 更新の前にテスト環境で動作確認を行う。
  • 更新が難しい場合は、他のセキュリティ対策で補完する。

ルール4:データの定期バックアップ

具体的な内容:

  • 重要なデータを定期的にバックアップする。
  • バックアップデータはオフライン環境異なる場所に保管する。

実践ポイント:

  • バックアップのスケジュールを策定し、遵守する。
  • バックアップデータの復元テストを定期的に行う。

ルール5:セキュリティ教育の定期的な実施

具体的な内容:

教育対象 研修目的 研修内容の例
制御システムの管理者(生産技術部門など) 高度なセキュリティ知識の習得
  • セキュリティ脅威の最新動向
  • システムの脆弱性と対策方法
現場作業者(期間雇用の従業員を含む) 基本的なセキュリティ意識の向上
  • 不審なメールやデバイスの取り扱い注意
  • パスワード管理の重要性
外部ベンダー(装置ベンダー、保守ベンダーなど) 入構時のセキュリティ遵守事項の理解
  • 持ち込み機器のセキュリティチェック
  • 工場内での禁止事項の確認

注意点:

  • 特に、外部ベンダーが持ち込む保守用PCがランサムウェアの侵入経路となる事例が多いです。事前のチェックを徹底しましょう。
  • 教育内容を最新の脅威に合わせて更新する。

4. これらのルールを効果的に実施するために

4.1 経営層のコミットメント

経営層がセキュリティの重要性を理解し、リーダーシップを発揮することが重要です。

4.2 現場との連携

現場の声を反映し、無理のないルールを策定します。現場担当者の協力を得ることで、ルールの遵守率が向上します。

4.3 定期的な見直しと改善

ルールの効果を評価し、必要に応じて修正します。新たな脅威や技術の進化に対応するため、定期的な見直しが必要です。


5. まとめ

5.1 今すぐ始めることの重要性

  • セキュリティリスクは日々増大しており、待ったなしの状況です。
  • 早めの対策が被害を防ぐ鍵となります。

5.2 小さな一歩から始めよう

  • 全てを一度に実施するのは難しいですが、できることから着手しましょう。
  • 従業員全員の協力が不可欠であり、コミュニケーションが重要です。

6. 参考資料・リンク


ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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